よいケアとは何かを考える

 

「よいケアとは何かを考える」という市民講座があり参加してきました。

 

東京医療センターと生存科学研究所が主催したもので、登壇者はそうそうたる顔ぶれでした。

中でも、ユマニチュードの伝道師、イヴ・ジネスト氏をはじめ、大ベストセラー『平穏死のすすめ』の著者である石飛幸三先生、聖路加国際大学学長の井部俊子先生などで、平日の日中にもかかわらず、610席の日経ホールは7割ほど、おそらく看護師・介護士等であろうと思われる方々で埋まっていました。

 

認知症ケアの新しい技法として注目を集める「ユマニチュード」。本の帯には「魔法?奇跡?いえ技術です」と書かれている通り、ユマニチュードを実践すると、口腔ケアを嫌がり叫び声をあげる、褥瘡があちこちにある高齢の女性が、口腔ケアを受け入れ、終わった後に「ありがとう」といい、それを聞いた介護士が涙した、といいます。

 

 

 

また、神奈川県藤沢市にある、あおいけあの代表の加藤忠相氏の話も、コンパクトかつインパクトが大きいものでした。

 

(よくあるデイルームの写真をみて)「何かおかしくないですか?」

 

私は、正直、きれいな明るいデイルームだな、と思ったぐらいでした。

本当によくある、よく見るような正方形のテーブルに4つ椅子入っているものが

いくつもあり、観葉植物があり、天井が高く明るく清潔な印象でした。

 

 

「この椅子に7時間、あなた座っていられますか?

ぼくは、スタバでだって7時間は座れない。みなさんどうですか?」と。

 

私は、はっとしました。

 

「ちょっとでも立とうとすると「●●さん、もう食事だから座ってて」、

何かしようとすると「あー、もう座ってて、っていったのに・・」と言われます。

でもすることなくて、じっと座ってろ、といわれるのは嫌ですよね。

自分がやられて嫌なことは、人にやっちゃいけない、って親に言われてきましたよね。

だから、僕、自分がやられて嫌なことは、しません。

困っているお年寄りを、周りが「困ったお年寄り」にしちゃってるんです。

 

支援と支配は違うんです!」と加藤氏。

 

 

介護は高齢者が地域の中で、役に立つ存在として普通に生きることをプロデュース、

デザインすることなのだと改めて知ることができました。

これは、ケアの在り方だけでなく、介護士のイメージ、介護士の社会的地位も変えられるきっかけになると感じました。

 

 

(筑波大学 堤)