『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』

 2012年10月、41歳の若さで肺カルチノイドで急逝された、流通ジャーナリスト金子哲雄さんが書かれた、本。

帯には「これは41歳で急逝した売れっ子流通ジャーナリストの見事な死の記録である」とありました。

 

 病気を宣告され、キューブラー・ロスの「死の受容」のプロセス(否認→怒り→取引→抑うつ→受容)を体現しているだけでなく、その受容をした後のアクションを刻銘に記録した内容でした。車内で読み進めたことを劇的に悔やんだのですが、時すでに遅し。泣きすぎて泣きすぎて(実はその1時間後、都内某所での介護セミナーの講演だったのですが)目が真っ赤に腫れ、急いでお店に飛び込みお水のグラスで冷やすことに。

 

 私は”日本人はお墓の準備はするけれど、その前の10年ぐらいの介護が必要な期間を空白にして、目を背けているなあ。それじゃダメなのに・・”と数年前デンマークやオランダに見学に行ったとき、切実に思いました。それが介護のセミナーをする原動力でもあります。

 

 しかし、金子哲雄さんは、違いました。死後残された奥様が一人になるには広すぎる家からの引越なども、ご自分でうごけるときに、と家探しをされました。また、治療と仕事を最後の最後まで両立しながら、戒名、葬儀の準備、仕出しの内容、会葬礼状など事細かに準備され、最期の幕引きまでご自分の手でなさいました。

 最期の最期まで、仕事をするために、意識を清明しておきたい、という願いから、在宅の医師・看護師の強力なサポートのもと、極力痛み止めのモルヒネを最小限にして、執筆したり電話インタビューに答えていたとのことでした。

 

 胸が詰まって、詰まって、こんなに若くして納得がいかないだろうに、死を受容しただけでなく、その先の「だから今どうする」というアクションを起こした、ものすごい方だったことを、改めて思い知らされます。

 もし自分が、、、と思うと同じようにできるか、自信がありません。でもその10分の一でも行動に移せたらと感じました。