男性が主体的に介護に関わるために、また働きながら介護を続けるためにはどうすればよいのかを一緒に考えていくために企画されたこのセミナー。
会場は40代男性を中心に、介護に対して漠然とした不安を抱えている方が多く集まりました。
講師の一人、奥田浩美さんはITやロボットの力を高齢者問題や地域格差問題の解決に活かす取り組みなど、常に未来を見据えた活動を精力的に行なっている方です。
5年間の遠距離介護のさなかであり、家族でつくっているLINEのグループ「みっちゃん応援団」で、お父様を介護するお母様のサポートを行っているとのこと。
関わり続けていくことが大事、というお話は参加者の共感を得たようです。
介護とは、「整ったと思った瞬間に必要なものが変わる」こと。また、「あいうえお(あきらめ・言い訳・後ろ向き・遠慮・思い込み)」が邪魔してしまう、ということもお話されました。ガンジーの「あなたが見たいと思う世界の変化に、あなた自身がなりなさい」という言葉で講演が締めくくられました。
続いて、酒井穣さんが登壇。
株式会社BOLBOP代表取締役会長、事業構想大学院大学の特任教授として活躍するかたわら、ビジネスパーソンに向けた介護情報サイトKAIGO LABを主宰。編集長として絶え間なく情報発信されています。
介護ジャーニー・マップが紹介され、
プレ介護期(介護を軽く考える時期)→介護パニック期(退職を考える時期)→介護安定期の説明がされました。
また、「男性介護の悪い特徴」と、「優れた男性介護の特徴」を比べて説明がなされました。
それを踏まえたアドバイスとして、
「介護とは、すべての個人に与えられる大きな成長のチャンス」
「介護離職をしないこと」
「意地を張らず周囲に助けて、ということ」
「マネジメントの理論を応用すること」
が紹介されました。
休憩後は、お二人のトークセッション。
参加者からの発言も相次ぎ、とても盛り上がった時間となりました。
参加者からは、
◆『生きててよかった介護』が本当の介護だとはじめて認識することができた。
◆考え方など根本の部分から知ることができた。
◆様々な情報が得られたので、自分から迷いを減らして情報を集めるきっかけを頂きました。
といった声が聞かれました。
印象に残ったことはどのようなことでしたか?
・男性の特性、仕事上の経験を生かした介護の対処方法には思い当たり印象深く感じた。
・家族の数だけ介護の形があるということ。
・普段聞けない話が聞けました。内容も新鮮です。LINEを使ったコミュニケーションなど面白かったです。
・ビジネスと介護というと金儲け主義の介護社会というようなイメージが強かったが、そのイメージが覆った。大変なことだけど面白く学べた。
・介護だけ、それにとらわれず、今何をしたらいいのか?何ができるか?(人生観を考えられて楽しめました)
3分割すること、直接でなく共有することのほうが大事。
介護のイメージは変わりましたか?
・様々な情報が得られたので、自分から迷いを減らして情報を集めるきっかけを頂けました。
・仲間を作る事。仕事はやめない。
・「生きてて良かった介護」が本当の介護だと初めて認識することができた
・まず学ぶことが自分を助けてくれるということが救いとなった。
・家族や地域のサポート以外にロボットやITを入れた介護という視点をもらった。
・公的支援が充実していること
・自分ひとりで全てを背負わなければいけないという考えで非常に不安を抱えていたが、様々なサービスを協力者の方々とアレンジしながら利用していけばいいと分かりました。
・将来母親の介護に抵抗があったが、生物学的に当然であると分かると安心した。